2019-12-28から1日間の記事一覧

小説 タイトル:僕は一体何者だ⑤

十勝倍也は亮介に「送ってくれてありがとう、じゃあ、また明日。」と告げた後、バイト先の飲食店に向かった。バイト先は歩いて15分ほどの距離にある。時刻は午後18時20分。今日のシフトは19時から23時までだったので、少しだけ時間がある。時間を潰そうと思…

小説 タイトル:僕は一体何者だ④

亮介は車を運転しながら、倍也の他愛もない話を聞いている。スマホのミュージックアプリから流れるbump of chikenの音楽と、倍也の他愛のない話がBGMと化しながら、大学の試験のことを考えている。 黒岩亮介は両親共働きの家庭に、3人兄弟の長男として生まれ…

小説 タイトル:僕は一体何者だ③

時刻は16時40分、帰りのバスを待つ大学生でごった返す学生を見ながら、少しだけ勝ち誇った気分を抱きながら、学内の駐車場に向かって、亮介と倍也は歩いていく。サークル活動など二人とも最初はしていたが、すぐに幽霊部員になったので、サークル活動なぞし…

小説 タイトル:僕は一体何者だ②

月曜日の朝、大学は決まって憂鬱だ。興味のない専攻内容の授業をこなす。大卒の肩書を得る義務作業でしかない。こんなことを言ったら、専攻内容に興味を持って大学生活を送っているクラスメイトに失礼だ。大体、興味がないなら大学を辞めてしまえばいい。他…

小説 タイトル:僕は一体何者だ

辞めたくても辞められない煙草に火をつけ、煙を吸い込んで吐き出しながら、一人暮らししているアパートから歩いて5分もかからぬコンビニの喫煙所の前で、今日も同じように夜空を見上げる。 時刻は23時30分過ぎ、23時までの飲食店でのアルバイトを終えて帰宅…